水曜日の片想い



何度か口を開いても、すぐに閉じるの繰り返しで、橘くんはなかなか何も言ってくれない。


わたしは橘くんを見ているのに、途端に下を向き、表情を隠された。


何か言ってよ。

今、どんな顔してるの?



「へぇ…………」


ようやく口を開いてくれたかと思えば、息を吹くようにそう言った。


怒ってる?呆れてる?

それだけじゃわかんないよ………。


「橘くんの本当の気持ち、教えて」


「それでも橘くんが好き」って、言えるから。

どんな答えでも受け止めてみせる。



「……………」


ようやく答えてくれるのか、顔を上げた橘くんの冷たいようで優しい光を灯した瞳は、しっかりとわたしの姿を映していた。



「今更、なに言ってんだよ…………」


だけどそれはほんの一瞬で、すぐに左手で顔を覆い隠されてしまった。