何度か口を開いても、すぐに閉じるの繰り返しで、橘くんはなかなか何も言ってくれない。
わたしは橘くんを見ているのに、途端に下を向き、表情を隠された。
何か言ってよ。
今、どんな顔してるの?
「へぇ…………」
ようやく口を開いてくれたかと思えば、息を吹くようにそう言った。
怒ってる?呆れてる?
それだけじゃわかんないよ………。
「橘くんの本当の気持ち、教えて」
「それでも橘くんが好き」って、言えるから。
どんな答えでも受け止めてみせる。
「……………」
ようやく答えてくれるのか、顔を上げた橘くんの冷たいようで優しい光を灯した瞳は、しっかりとわたしの姿を映していた。
「今更、なに言ってんだよ…………」
だけどそれはほんの一瞬で、すぐに左手で顔を覆い隠されてしまった。



