「で、言いたいことはそれだけ?」
わたしの人生初の告白をこのまま無かったことにされたくない。
今度こそ橘くんにちゃんと伝えるんだ。
遮る音は何もない。
たった一言、言えばいいだけ。
「………あの時、本当は好きって言ったの」
こんな静かな空間で、もう聞こえなかったとは言えまい。
「初めて会ったときから、橘くんのことが好きでした」
言った。言ってしまった。
ようやく伝えることができた安心感なのかよくわからないが、涙が溢れてくる。
視界が揺れてよく見えない。
目尻が、体が、全てが熱い。
自分から「さよなら」と目の前で言っておきながら今更告白なんて呆れてるかも。
でも、逃げないって決めたんだ。
これ以上橘くんへの想いを曖昧なままにしたくない。
震えないようぎゅっと唇を結び、橘くんを真っ直ぐ見つめた。



