水曜日の片想い



せっかく忘れようと思ってたのに……なんで揺さぶるようなこと言うの?


わたしのことなんか好きじゃないくせに、どうして期待させるようなことを言って弄ぶの?


このままじゃ橘くんの友達をやめたことを後悔しちゃうじゃん。



「…………今更もう遅いよ。百合ちゃんを選んだのは橘くん自身だもん……」


わたしの出る幕なんかどこにもない。

終わった恋なんだからこれ以上縋り付いたって意味はないのに。


「なんだ。やっぱり日菜子って橘旭陽のことが好きだったんだね」


「すっ…………!」


グッと言葉を飲み込んで叫ぶことには耐えられたが、わたしはとんでもないことを口走ってしまったらしい。

橘くんが好きだって……知られちゃった……?


こんな微妙な気持ちのときに打ち明けちゃうなんて完全にわたしのミスだ。


「好きじゃ、ないよ」


なんとか落ち着きを取り戻してすぐに否定してみたけど、たぶんこんな言葉だけじゃ華純は納得してくれないと思う。

ジトっとした疑心溢れる眼差しでわたしを見ている。


「素直になりなって。橘旭陽に恋してる日菜子、すごく幸せそうだったよ」