「そうかなぁ?ここんとこずーっと上の空じゃん」


端から見てわかるほど元気なかったかな。

自分じゃいつもと変わらない気がしてるんだけど。


「ちょっと前まではお昼休みになると飛び出してどっか行ってたのに、今じゃ教室でお弁当食べてるし」


「あはは。やっぱ教室で過ごした方が落ち着くなぁって思ったからさ」


「ふーん、そっか」


華純は結構鋭いらしい。

夏休み以降、当たり前のように橘くんのところに行くことはなくなっていた。

今だって華純と机をくっつけてお弁当を食べている。

よく考えてみれば、

いつもチャイムと同時に教室を飛び出していたわたしが急にどこも行かなくなったら、気になるのが普通だよね………?


油断してたかも。

華純には余計な心配かけたくないよ。


「そういえば橘旭陽と柊百合が付き合ってるって噂知ってる?」