突然終わりを告げられこの恋をどうすればいいかわからなかった。

橘くん以上に好きになれる人がいるとは思えないし、今すぐ新しい人に乗り換えるなんて無理だから。


どんなことがあっても、たとえ橘くんに彼女ができても諦めたりしないって誓った。

けど、もう無理だよ。

100%届かない想いにすがってこれ以上どうしろというの?


失恋した後も健気に想い続けられるほどわたしは強くなかった。



「日菜子………!」


振り向かない。

振り向けない。


聞こえているはずの橘くんの声にもぎゅっと耳を塞いで、これ以上心を揺さぶらないでと願っていた。


本当はさよならなんかしたくない。

ずっと側に………一緒に居たいんだよ。


だけどだめなんだ。

隣に居ていいのは“彼女”だけだから。