今日は用事でもあったのかな。
大好きな本より優先される用事ってなんだろう。
…………まさか百合ちゃんとデートだったりして。
「デート、かぁ」
事実上、花火大会は最初で最後のデートになってしまった。
あんなにたくさんの幸せを貰ったのにも関わらず、まだわたしは幸せを望むの?
橘くんとデートできただけで十分だよ。
早く思い出にしてしてしまえば楽なのに。
起こった全ての奇跡にすがりついたまま、想いを今でも引きずっている。
「奇跡……もう1回くらい起きてくれないのかな………」
勝手に溢れてくる涙を拭う余裕もなかった。



