水曜日の片想い



「百合?」

「百合ちゃん!?」


声をあげたのは、ほぼ同時だった。

弾かれるように振り向いた先には、淡いピンク色の浴衣を身にまとった百合ちゃんが、真っ赤な顔で立っていた。


「なんで百合がこんなところに……」


「せっかく遊びに行ったのに、家に居なかったから旭陽のお母さんに聞いたの。そしたら花火大会に行ったって言われて探してたのよ」


いつもの柔らかい髪の毛はひとつにまとめられ、普段見慣れた百合ちゃんと雰囲気がまるで違う。


可愛いのに大人っぽくて、浴衣姿が似合うとはこういう意味なんだと理解した。



「なるほどね。俺を探しに来たのはわかったけど、なんか浴衣汚れてないか?」


「あっ、その……これは……」


……ほんとだ。

可愛い百合にちゃんに目を奪われて気づかなかったけど、よく見たら泥のようなものが浴衣にべっとりと付着していた。