水曜日の片想い



空を仰げば大輪の花火が見えるのに、今は目の前に立つ橘くんしか見れなかった。


ブレない視線に緊張が増して、心拍数は上がっていく。


どうしよう、どうしよう………。

時間ってこんなに長く感じるものだっけ?



「せ、瀬戸……?」


目の前に立つ橘くんは、きょとんっと丸くさせながら、戸惑うように首を傾げた。


っ…………もー、だめっ!

これ以上何も言えない。


赤くなった頬を隠すように、パッと顔を下げて隠した。


すると、次の瞬間……。


「なぁ、今……」



「旭陽!」



なんとなく聞き覚えのある、甘くて可愛らしい声が後ろから飛んできた。


この声って………。