空を仰げば大輪の花火が見えるのに、今は目の前に立つ橘くんしか見れなかった。
ブレない視線に緊張が増して、心拍数は上がっていく。
どうしよう、どうしよう………。
時間ってこんなに長く感じるものだっけ?
「せ、瀬戸……?」
目の前に立つ橘くんは、きょとんっと丸くさせながら、戸惑うように首を傾げた。
っ…………もー、だめっ!
これ以上何も言えない。
赤くなった頬を隠すように、パッと顔を下げて隠した。
すると、次の瞬間……。
「なぁ、今……」
「旭陽!」
なんとなく聞き覚えのある、甘くて可愛らしい声が後ろから飛んできた。
この声って………。



