水曜日の片想い



Tシャツの裾を掴んだままの指先が熱い。

橘くんの隣に居るだけでもドキドキするのに、ずっと触れてたら爆発しちゃいそう。


……でも、すっごく幸せ。


だからわたしは、ずっと橘くんの側にいたいの。


ついこの間までは遠くで見ていることしかできなかったのに、今では橘くんの隣にいることが当たり前になっている。


橘くんの隣は、誰にも譲りたくないわたしだけの特別な場所。


けれどこのまま立ち止まっていたら、わたしの特別は簡単に消えてしまう。


橘くんの隣は、わたしだけのものじゃないから。

明日にでも別の誰かがいるかもしれない。

そしたら、わたしは橘くんの隣にいられない。

やだよ、そんなの……。


こんなにも誰かを好きになったのは、橘くんが初めてだと思う。


出会ったばかりの頃は、クールで、毒舌で、無愛想で。

噂通りの怖い人なんだって思ってた。


でもそれは、橘くんのほんの一部でしかない。

本当は誰よりも優しく温かい人だった。


だからわたしは、何度もめげずにアタックすることができたの。

冷たい心の裏に隠された、橘くんの優しさに恋をしてしまったから。