目の前にある角を曲がればもう少しで音楽室。 もうすぐ解放されるのかと思うと歩くスピードが速くなっていく。 「……………わぁっ!」 そして案の定、角を曲がったと同時に何かにドンッとぶつかってしまった。 ドサドサと廊下に教材が撒き散らされ、わたしは床に尻餅をつく。 ううっ………情けない。 「……痛てて……ごめんなさい、ちゃんと前見てなくて」 「いや、こっちも悪かった。大丈夫か?」 っあれ…………? この声って。 「たっ、橘くん!?」 目の前にはあの橘くんが立っていた。