「見て、旭陽の好きなおかずいっぱい詰めたお弁当持って来たのよ!一緒に食べましょう」
「おー。百合は昔から料理得意だよな」
りょ、料理………?
百合ちゃんお弁当自分で作ってきたの!?
ちらりと横目で見てみると、百合ちゃんが手に持つお弁当はご飯の粒までも1つ1つがキラキラ光って見えた。
可愛いだけじゃなくて料理もできるなんて、反則すぎる。
明らかにわたしと女子力の差がこれでもかというほど広がっているのを実感した。
当然のように、わたしはお弁当なんて自分で作れない。
もはや料理は必要とされない限り滅多に作ったりしないもの。
「まぁ、美味いんじゃないか」
「ふふっ、素直に美味しいって言いなさいよ。相変わらず意地っ張りなんだから」
「うるさい」
テンポ良く進む会話も仲の良さで溢れている。
高校で出会ったばかりのただの友達より、昔から繋がりのある幼なじみはやっぱり強い。
埋まらない差を少しでも縮めるには努力あるのみだよね。
わたしが唯一できるのは頑張ることだけだもん。
今日から料理、挑戦してみよう。



