王子様はお姫様と結ばれる。 定番中の定番の話。 誰もが知ってるし、誰もが望むハッピーエンド。 普通の町娘が王子様に想いを寄せていたとしても、永遠に叶わない儚いだけの恋。 何もないわたしは、お姫様になれないの。 「5年振りにこっちに戻って来て新しい友達できるか不安だったけど、日菜子ちゃんとは仲良くなれそうで嬉しいわ」 「あ、ありがとう……!」 こんな展開、予想できるわけない。 「あの勝気な百合がした手に出るとか珍しい」 「旭陽うるさい!日菜子ちゃんとはホントに仲良くなれそうなのよ!」