水曜日の片想い



「な、なに………?」


いつもなら橘くんがカウンターに座って黙々と本を読んでいるはず。


扉を開ける音には特に反応はしないけど「おはよう」って言うと「もう放課後だけど」って素っ気ないやり取りが日常なのに。


でも、今日は?


見知らぬ美少女に抱きつかれて何やら暴れている。


ほんのり赤い橘くんの頬を見て、ズキンと胸が痛んだ。

いったい何が起こってるの…………?


橘くんにあんなにベタベタ触るの………やめてほしいよ……。



「あら、誰よあの子?」


「せ、瀬戸………!?」



ようやく2人がわたしに気付いたみたいで、ピタリと動きが止まった。


「えっ……えっと………」


何か言わなきゃと思うほど、焦って頭が真っ白になる。