燃え滓と夜にみる夢【短編】

決まり決まった日常の変化はいつも突然訪れる。

ある日、私を体育館裏に呼び出したのは彼の親友の方だった。

嫌な予感はしたから、誰にも内緒で一人で出向いた。


「君が好きだ」
と言われた。


ごめんなさい。としか言えなかった。


彼は引き下がらなかった。
「どうして……、いつも上から見てたでしょ?」


言えなかった。あなたの隣の彼を見ていたとは、言えなかった。


違うの……、ごめんなさい……。泣き出しそうな私に彼もそれ以上は詰め寄らなかった。


ただ、それだけのこと。