それを見計らって、蓮央が話し出した。



「諒真の言うとおり、まだ戦いは終わってない。諒真の問題があるからな」



諒真さんの問題。


それは、日本で3本の指に入るほど大きなヤクザ、若沢組の組長に話をつけること。



「お前ら……無理しなくていいんだぞ?」


「自分から言い出しといてそれはないだろ。つか、無理なんてしてねぇし」



不安げな諒真さんに、歩が言う。


その後ろからひょっこり顔を出した真浩が天使の笑みを浮かべた。



「諒真さんはいつも通り自分の事だけ考えてればいいんだよ!」


「……その言い方、何かトゲがあるな」


「そうかなぁ?」



ジロリと睨まれても、可愛い真浩は知らんぷり。


まぁ、これが真浩なりの励まし方なんだろう。



「そういえば歩、あんまふざけると零羅に会わせないぞ」


「っぐぼっ!?」



圭太がニヤニヤしながら言うと、歩はビールを吹き出した。