また不機嫌そうに、今度はビールを飲み始める。
なんであんなに怒るの……?
意味が分かっていない私に、諒真さんがこっそり耳打ちした。
「蓮央は、さっきーのことが心配だったんだよ」
「しんぱい……?」
「うん。俺に電話したあいつの声超焦ってたし、この寒さなのにTシャツで外に出ようとするし。宥めるの大変だったんだからな!」
「そう、なんだ…………」
そんなに、心配してくれていたの……?
ただの居候の私を……?
南蓮央の汗がにじむTシャツを見つめる。
こんなに寒いのに……汗かいて。
どうして、私なんかを心配してくれるんだろう…………。