「鮭定食1つ、牛丼2つ〜」

「はぁい」


担当の牛丼を作り出す


今は東京の旅館の厨房で働いている

奈々が亡くなってから8年

もうそんなに経ったのかって思うけど
奈々がいた日々がもっと前のような気もする


いつか自分のお店を持つのが夢

そのために今は見習い

給料は安いけどそれなりに頑張ってる


仕事が終わるのが夜10時

帰る途中に電話が鳴った

「もしもし?亮?
どうした?」

「来週の土曜日あいてる?」

「あー、うん。空いてるけど」

「じゃあいつもの店で待ってる」

「はーい」


亮も東京に就職した
東京都庁で働いている

あんなに適当に就職できればいいとか言ってたのに
公務員になるってすごいな…