波の音に耳を澄ませて、夕日が沈んでいくのを二人で見ていた 何も言わずに 話さなくても伝わるものがある 優人がわたしの手をそっと握った わたしもそっと握り返した 優人の手が大きくてたくましかった 目の前には海…隣には優人… この世に二人だけしかいないなんていう錯覚に落ちそうだった 「優人、どうしてわたしと付き合ってくれたの?」 「さぁな。なんかビビビって来たからかな」 「そっかぁ」 それ以上何も聞かなかった