靴を履き上川さんの方を見る。
「それではまた」
「ありがとうございました」
お父さんたちに続き頭を下げる。
「上川さん、本当にありがとうございました。
助けていただき。
上川さんがいなければきっと私は恐怖で震えていました。
そばにいてくださって安心できました。
感謝の気持ちでいっぱいです」
頭を上げ自分の気持ちを伝える。
「そんなことは・・・。
千鶴さんがお強いだけです。
あれだけのことがあったのに、こうして笑っておられる。
心が強い方です。
どうかこれからもその素敵な笑顔を忘れずに」
「はい!」
満面な笑顔を見せた。
「俺にはそんな言葉なかったくせに」
不意に声が聞こえ皆でそっちを見る。
「あ、泉さん」
「帰るって聞いたからな、見送りに来た」
「ありがとうございます」
可笑しくて笑ってしまった。
「なに笑ってんだよ」
拗ねてしまった。


