君色ボイス

「…誠司くん、どうして言ってくれなかったの?私、知ってたらもっと分かりやすく勉強、教えたのに。」

だって、あのセイジ様に勉強教えてるんだよ。それって凄すぎるでしょ!

「今のままでも、十分、分かりやすいし。それに、言う必要がないと思ったから。」

「誠司くん。私…誠司くんの力になりたい。困ってるなら、なんでも私に言ってね。」

「ふーん。『なんでも』か。」

誠司くんは、口角を上げて笑ってる。あ…この顔、誠司くんが人をからかう前にする顔だ。

「じゃあさ、相談してもいい?」

「うん。何?」