咲の牙

「あ、いた!ちょっと咲ちゃん!!」



「え?」



皆と話し合っていると、巫女の子の一人と、そのお母さんがそこにいた。




「どうしたの?なにかあった?」



二人はだいぶ慌てていたように思う。



それに女の子の方は脚をひこずっていたように見えた。



まさか━━



「脚、捻っちゃった?」



皆も気づいたらしく、女の子に問いかける。




「・・・うん、ごめんなさい」



「脚見せて」



しゃがんで女の子の脚の様子をみると、だいぶ腫れていた。



「これじゃ舞は無理だね」



「ご免なさい」



女の子は今にも泣きそうになっている。



「大丈夫。咲、代わりに頼める?」




「え"」




「舞、得意だったよね」




皆が何時になく黒い笑顔を向けてくる。




「そうだけど・・・年が━━」




「大丈夫。咲ならうまく小中学生に紛れられると思うよ」




「どういう意味よ!」