嘘でしょ、アイツどんだけ速いの…… 再び目指して走るのは、用具置き場の前で。 最後のコーナーを回る時。 外側からだったにも関わらず。 ワアアアアアア!!!! キャアアアア!!! グラウンドが、歓声で揺れたんじゃないだろうか。 ゴールテープを先に切ったのは…… 『見事な逆転!優勝は1組!』 「楽勝」 呆然とする私との距離を詰め、手に持つバトンを渡された。 「一位になっちゃった……」 「当たり前だろ」 祐也…… こいつやりやがった……