「ま、誰かは聞かなくてもわかるけどね。たーだ、そんな秘密が出来た経緯を知りたいのよ、経緯を!」


ずいずいと身を乗り出してくる彼女から、逃げるようにのけ反る私。

うぅ、どうしよう!?


でも、このままずっとひとりで抱え込んでいたら、悩みすぎて地面に埋まっちゃいそうだし……。

文ちゃんなら信頼出来るし、きっと誰にも言わないでいてくれるよね。

如月くん、ごめん!


「実は──」


意を決して言おうと息を吸い込み、顔を上げたその時。

文ちゃんの後ろに立つ人物がじっと私を見ていて、ひぃっ!と叫びそうになった。


き、如月くん……!

いつもの地味な姿で、無表情だけれど。

“他言無用だって、お前にも身をもってわからせねぇとダメか?”

とでも言われているような気がして、一瞬にして青ざめる。


「や……やっぱりダメ! 言えない!」

「えー何で?」


ぷるぷると首を振る私に、文ちゃんは不満げな顔をして、如月くんは何のリアクションもせず静かに席についた。

あぁ、なんだかいろんな意味で心臓に悪い……。