月曜日の朝、文ちゃんに会うと真っ先に土曜日のことを伝えようと思った……

ものの、如月くんに口止めされていたことを思い出して、結局言えないまま学校に着いてしまった。


でも、ものすごく悶々としちゃって、勉強にも身が入りそうにない。

まだ本人は来ていないけど、前の席を見るだけでも心臓が活発に動いてしまう。

今までこんなことがなかったから、文ちゃんも私が何かを隠していることに気付いているらしく。


「菜乃、もう言っちゃえば?」


ため息をつきながら席につく私に、若干呆れたような様子で言った。

私もすごく話したいし、相談にも乗ってもらいたいけど……。


「そういうわけにはいかないよ。だって、ふたりだけの秘密なんだもん…………あ」


しまった!

何で口すべらせちゃったの私~~! しかもニヤけながら!


バッと口を手で押さえても、時すでに遅し。

文ちゃんは、にやぁっと怪しげな笑みを浮かべ、私の机に頬杖をついて迫ってくる。


「ふたりだけってー? 誰との秘密なわけ?」

「そっ、そそそれは……!」