しくしくと泣きたい気分になっていると、如月くんは眼鏡を拾い上げ、気だるげに髪を掻き上げる。

すると、金髪男子が何かに気付いたように、身体を起こして目を見開いた。


「あ、あああんたまさか……!?」


金髪男子が指差す如月くんを見た他のふたりも、同じように目をまん丸にする。


「う、そだろ?」

「でも、あれは……!」


ものすごく動揺した様子でボソボソと言い始める彼らに、私はハテナマークをばらまく。

どうしたんだろう、急に……何か見えたの?


私もつられて如月くんに目をやると。

いつも覆われている髪が掻き上げられ、露わになった耳に──キラリと、夕日を反射させるものがあった。

目を凝らしてドキリとする。

紫色のあれは……アメジストのピアス……?


『リーダーがアメジストのピアスをしてるから、その色が由来じゃないかって』


文ちゃんの言葉が蘇る。

まさか……如月くんが!?


……いや、でもパープルのリーダーはこの高校の生徒じゃないと言っていたはず。

この三人組がパープルの一員だとして、リーダーに気付かないなんておかしいよね。