突然、何も関係なさそうなことを聞かれてキョトンとしてしまう。

パープルって、この間文ちゃんが言ってたアレだよね?

何で今その話題が出るんだろう、と思いつつ、とりあえず答える。


「不良グループなんですよね? あんまり詳しくは知らないけど……」

「そう。じゃあ教える必要ねぇな」

「えぇ!?」


何で!? 意味わかんない!

唖然とする私に視線が向けられたかと思うと、如月くんは突然距離を詰めてくる。

ギョッとして後ずさると、後ろにあった本棚に背中がぶつかった。

その衝撃で眼鏡がずれ、そのまま硬直する私のこめかみの横あたりに手をつかれ、整った顔が近付く。


ぎゃーー!! なになに何なんですかこの状況!?

リアル壁ドンに、破裂しそうなほど心臓をバクバクさせていると、如月くんは囁くような声で言う。


「俺がわざと地味な格好してることも、ここでバイトしてるってことも、全部俺とお前だけの秘密。わかったな?」


お、俺とお前だけ……つまりはふたりだけの秘密……。

あぁ、なんて甘い響き! それだけでキュンとしちゃう!

しかも高校生らしからぬフェロモンがハンパないです……!