やっぱり私みたいな女は、如月くんには釣り合わないよね。

そのせいで、私だけじゃなく彼のことまで悪く言われるのは、余計に辛い。

だけど、彼から離れたくはない。

こんな私がイケメンの彼女になるって、わかってはいたけど並大抵のことじゃないんだ……。



「はぁ、気苦労が絶えない……」

「暗いよ、菜乃。せっかく付き合えて、今一番幸せな時だっていうのに」


放課後になり、のろのろと校門を出る私の左隣を歩くのは、心配そうにする文ちゃん。

そして右隣には、大好きな彼氏がいてくれる……のですが。


「一緒に帰ってやってるのに何が不満なわけ」

「ちち違うの! 今こうしてるのはもう踊っちゃうくらい嬉しいんだけど、そうじゃなくて! 女子の皆さんがちょっぴり手強くて……」


彼が不機嫌そうに言うもんだから、私は慌てて弁解する。

トイレでのことは話してないけど、私が落ち込んでいるのはバレバレだ。

すると、如月くんはふっと鼻で笑う。


「あんなのほっときゃいいんだよ。うるせーアイツらなんか興味ねぇ」