なんだか不吉さを感じさせるようなことを言い出す文ちゃんに、私の表情が強張る。

すると、急に彼女はもじもじして目線を泳がし始めた。


「一緒にいるうちに、あたしもアメリカナイズに侵食されてきたというか……」

「はぃ?」

「いや、なんかノリが合うっていうか、気が合うなーって思ってたらいつの間にかさぁ……」


何の脈絡もないようなことを言う文ちゃんに、私はぽかんとしたけれど。

徐々に色付いていく頬を見て、突然バラバラだった点が繋がったような感覚がした。


あのお祭りの日、気合いを入れて綺麗におめかししてきた文ちゃん。

でも、いつの間にか様子がおかしいように感じた。


そうなったのは、私が琉依くん達と合流した後。

私が彼に助けられて、抱きしめられた後。

そして、今の発言は明らかに琉依くんとのことを言っているわけで……


……てことは、ま、まさか!?


「もしかして文ちゃん、琉依くんのこと……好き、なの!?」


思ったことをそのまま口にすると、彼女の顔が一瞬にしてぼっ!と赤く染まった。