お祭りで如月くんに会えなかった日から、私はずっと沈んだままの毎日を過ごしていた。

休み中、外へ出る時は練習のつもりでメイクをしたり、ファッションも雑誌を見て気を遣ってみたけど、今やすっかりメガネクラに逆戻り。

なんだかもうすべてにおいてやる気が出なくて、塩かけられたら溶けちゃいそう。


なめくじ化してきた私は、夏休み終了間際の今日も、いつもの三つ編みに原始人スタイルでだらだらと過ごしていた。

リビングのソファーに座ってぼうっとテレビを見ていると、隣にきた美紅が突然こんなことを言う。


「塩かけてあげようか?」

「ぅえっ!?」


ついに私を溶かす気に!?

ギョッとして振り向くと、三角に切られた真っ赤な果実と塩を持った妹がキョトンとしている。


「な、なんだ、スイカか……」


びっくりした……私がなめくじ化してると美紅にも思われてるのかと……。

胸を撫で下ろす私を見て、美紅は眉をひそめる。


「お姉ちゃん、変。最近ちょっと良くなったと思ったら、また原始人に戻っちゃったし、今も生気抜けてるし。何かあったの?」