「何でですか!?」

「いろいろむしゃくしゃするでしょ? また一緒に暴れましょーよ!」


──ギロリ。

鋭い目つきで睨みつけると、皆一斉にギクッとしたように口を閉ざす。


「お前ら、パープルがどんな集団だったかも知らねぇのか?」


ひとつ声のトーンを落として言うと、彼らは神妙な顔で俺を見つめる。


「弱い人間は守る。手をあげていいのは自分と対等か強い奴だけ。万引きとかカツアゲとか、くだらねぇ犯罪はしない。
それがパープルの……音哉のモットーだったんだよ」


兄の名前を口にした瞬間、胸にぐっと苦しさを覚えた。


俺達は、何でもかんでも暴れてきたわけじゃない。

ケンカする時は容赦なかったけど、ちゃんと相手は選んでいた。

まぁ、そんなの他人からしてみれば暴力行為に変わりないし、不良って一言でまとめられちまうんだけどさ。

それでも、俺達は俺達なりに、度が過ぎたマネはしないようにやってきたつもりだ。


「それが今はどうだ? 誰彼構わず絡んで、警察沙汰になったり問題ばっかり起こしてんだろ? そんな集団……何の魅力もねぇよ」