後悔と罪悪感、虚無感に囚われて、しばらくは何のやる気も起きない日々が過ぎていく。


そんな時に、親父が交通事故で亡くなった。

結局、あの件の和解はできず、心にしこりを残したまま永遠の別れになってしまったが、後悔の気持ちは湧いてこなかった。

あの時親父が音哉のせいにしたことは、どうしても許せなかったから。


それでも、父親は父親。

やっぱり寂しさは湧いてくるものだ。

中学に入るまでは普通に仲の良い親子だったし、そのことを思い出すと、今でも時々無性に寂しくなるよ。


心に開いた穴がさらに大きくなって、俺はいつの間にかパープルからかなり遠ざかっていた。

しかし、抜け殻みたいになってしまった俺を支えてくれたのは、母親と琉依の存在だ。


母親は意外と逞しく、親父が亡くなっても気丈だった。

まぁ、不倫を黙認していたくらいだからな。

俺が悪さをするのも、『若気の至りよねぇ』なんて言って放任していたし、ちょっと変わってるのかもしれない。


そんな母さんと琉依は、明るい性格がどこか似ている。

ふたりに感化されて、次第に俺も気力を取り戻していった。