地味な格好をするようになってから、自分の性格も消極的になってしまったらしい。

……いや、そうするために地味な姿を演じるようになったのか。


昔の俺は、気に入らないことがあれば、親だろうが先生だろうが、すぐ噛み付いているような気性の荒い奴で。

ケンカも日常茶飯事だったし、女も性欲を満たすためだけに付き合っていたような、救いようのないバカだった。

そうなった要因は、不良グループのパープルと……俺の兄貴の存在が大きい。


中学時代は結構な荒れようで、目立たず何の問題も起こさない今からは想像がつかないほどだった。

その中には琉依もいたわけだけど。


琉依はパープルには属していないにもかかわらず、俺の味方になって時には悪事を働く、少し変わった悪友だった。

自分のスタイルを崩さず、我が道を突き進むようなアイツに、少しだけ憧れていた部分もあったのかもしれない。

俺が今みたいなダサい男になっても、変わらず接してくれるし。


そんな琉依だけは、親友と呼べる存在。

だから、アイツが本気で惚れた相手なら、譲ってやっても構わないと思ってる。