重い足取りで学校に着くと、静かな校舎の中を通って教室へ向かった。

掃除の時のように机を端に寄せた教室では、都合がついたクラスメイトの半数ほどが集まっていて、すでに準備を進めている。

藍原と話すナノの姿もあり、それを横目にとりあえず隅っこの机に寄り掛かった。


どうやら今日は衣装合わせをするらしく、いろんな布が広げられ、七人の男女がそれぞれ身に付けていく。

小人みたいな衣装だったり、オオカミらしき被り物を付けていたり、なぜか白衣を着ていたり。

統一性のない七人に、俺は首をひねるだけ。


白雪姫って……いったいどんな話なんだ。

童話の中に白衣着たやつが出てくるか? ワケわかんねー。


ハイテンションの皆を白けた目で眺めていると、実行委員である女子がナノに声をかけた。


「冴島さん、この衣装サイズ合うか着てみてくれる?」


そう言って手にしたものは。

半袖の部分が膨らんでいて、ウエストは細く絞まり、ふわりとした光沢がある黄色いスカートの、唯一お姫様らしいドレスだった。


「わ、すごい……」

「コスプレ用のコスチュームが安く売ってたんだよね~」