そしてコーラを飲み始めるヤツに、さっそく話を切り出す。


「で? 何だよ、話って」

「ん、土曜日のことなんだけどさー……」


なぜか歯切れが悪く、言いにくそうにしている琉依。

土曜日って何かあったか?

考えを巡らすと、駅でコイツと会ったことを思い出した。


「あー、あのこと? デートしてるとこ見られて何か問題あんの?」

「問題っていうかその前に、僕達付き合ってないから!」

「違うのかよ」


そんなに一生懸命否定しなくても。

つーか、付き合ってないのか。琉依にしては珍しい。


琉依はその人懐っこい性格と整った容姿で、昔からモテていた。

友情を大切にするいい奴で、俺もコイツのことはダチの中で一番気に入ってるし、信頼もしている。

ただ、問題があるとすれば女関係だけだろう。


浮気はしないポリシーらしいが、とにかく手が早い。

気が合うコがいれば、出逢った当日にキスするのは当たり前。

もちろん身体の関係を持つのも速攻だし、別れるのも同じくらい早い。

これもアメリカ生活のせいなのか、元からの性格なのかは微妙だが……。