如月くんに抱きつく早水くん。

私は目を点にして、遠目からふたりを眺める。


「久しぶりー! How are you~!?」

「おまっ……何でここにいんだよ!?」

「何でって、帰ってくるって連絡したじゃん」

「いや、そういうことじゃなく……つーか、離れろ! 暑苦しい」


もうじゃれ合っているようにしか見えなくて笑っちゃう。

如月くんが友達と関わっているところは見たことがないし、無邪気な姿もやっぱりすごく貴重で、見ているだけでキュンとした。


「I missed you~」と泣きマネしながら抱きついている早水くんを、如月くんはうっとおしそうに引きはがす。


「琉依! このアメリカ流のスキンシップと英語はやめろ」

「しょうがないじゃん、まだ帰ってきたばっかりで抜けないんだよー」


名残惜しそうに離れて、口を尖らせる早水くんはなんだか可愛い。

如月くんのことが大好きなんだろうな。

微笑ましくふたりを見ていると、如月くんの鋭い眼差しがこちらに向けられてギクリとする。


「俺がここにいるって、アイツから聞いたのか」