「美空。
お味噌買ってくるの、忘れちゃったのよ」
「そうなの?」
「そう。
だから買ってきてもらえない?」
「良いよ」
あたしは財布を受け取って、「じゃあ」とお母さんに手を振り、折角着いた家から離れた。
「……如月」
「ん?」
「何で如月がいるの?」
「俺もスーパー寄って行こうと思ったからに決まっているじゃないスか」
「そうなの?
何?アンタって独り暮らし?」
「違うスけど?」
「そうなんだ。
じゃあ親共働きなの?」
「そう。
だから毎日、俺が夕ご飯買って帰るんスよ」
「そうなんだ。
なかなか大変なんだね、アンタの家」
「これが普通スよ」
スーパーに着いて、あたしは頼まれた味噌を、如月は卵とケチャップを買っていた。
どうやら夕ご飯はオムライスらしい。
「如月料理上手いの?」
「まあまあかな。
下手じゃないと思うスよ」
「じゃあ今度食べたい」
「覚えていたら、食べさしてあげるスよ」
如月はまた家まで送るって言ってくれたけど、さすがに断っておいた。
「まぁおたくなら、色々反撃できそうスからね。
傷害罪で逮捕されないようにほどほどにするんスよー?」
「心配ご無用っ!」
よくわかんないっ!