「…相変わらずおたくは、よく喋るんスね」
ハァと溜息をつきながら美少女・真帆さんを見る如月。
…コイツって本当に毒舌だよね……。
「も~如月くんってば、そんな古めかしい呼び方で呼ばないでよ!
おたくなんて言わないで、ちゃんと真帆とかって呼んでよ」
「おたくはおたくで十分スよ」
「相変わらず意地悪なんだから、如月くんって。
キクくんの方が絶対に良いよ!」
「そりゃ俺はキクと違うスからね」
再び溜息をついた如月が、掃除ロッカーから取ったまま動かしていなかった箒(ほうき)を使って掃除をし出す。
「ねえねえ!
転校生ちゃん、名前なんて言うの?」
「に、西川美空です……」
「漢字はどう書くの?」
「東西南北の西に、水が流れる川に、美しい空って書きます…」
「そうなんだ~!
可愛い名前だね!
あ、敬語はナシだよ!
私たち同い年なんだから!
私は須藤真帆(すどう・まほ)。
呼び捨てで良いからね、美空!」
「よ、よろしくね…真帆」
勢いが凄すぎてちょっと引いた感じになっちゃったけど
女子の友達が出来て良かったな!


