そう思って、やっぱり胸が締め付けられる。


あたしもこの人の事を守りたい……。


だけどあたしは守るどころか、いつかこの人を傷付ける。



あたしは、恭を強く抱き締める。



ごめん恭。



ごめんね……





今だけは、あたしもあなたを守りたい……







───



「着きましたよ。」



「うわっ……」



着いたのは、周りに倉庫のような建物が並ぶ鬱蒼とした空き地のような場所。


壊れた工場のような建物が、解体されずにそのまま残されている。


人気がなかったら、絶対不気味であろうその場所に、


沢山の人・人・人。


物凄く厳ついバイクに跨がっている人もいれば、ヤンキー座りでタバコをふかしている人もいる。


柄の悪い人達が好き好きに過ごしている。



あたし達がバイクから下りた途端、みんなが一斉にあたし達を振り返り、攻撃的な視線を向けてくる。


あたしは思わず尻込みしてしまう。



あ、あたし場違い過ぎやしないだろうか……




「恭ーっ!!」



遠くから駆け寄ってくる見覚えのある人影。



「聖也さんっ!!」



今日も相変わらずの美人!!



「あんたの事なんて呼んでないわよ。」



そして、相変わらずの毒舌っぷり。


何ともつまらなそうな顔であたしを見てくる聖也さん。