「どんだけ可愛いんだよっ。ホント。」



そう言って、あたしをきつく抱き締める恭。


「薄々気付いてると思うけど、俺が敬語使えなくなったら、ちゃんと逃げなきゃダメだよ?」


「え?」


「俺の理性がきかなくなってる証拠だから。そろそろ俺、茉弘に色々抑え効かなくなってきてる……。
だから茉弘、自分の身は自分で守ってね?」


そう言って、恭はあたしの額に軽くキスをして丁寧に毛布を掛けてくれる。


そして、またあたしを抱き締めて、


「おやすみ。」


と言って目を閉じた。




逃げろって言われてもな……。


恭の腕、あたしにがっちり回ってるし……。


それに、そんな事言いつつ恭は、絶対にあたしの嫌がることはしないくせに。



恭の腕の中、大好きな恭の香り。


恭と出逢って初めて知った、"幸せ"という気持ちに埋もれる。



それにあたし……いつかあたしの全部あげるなら、恭がいい。


まだ恥ずかしいし、すっごく恐いけど、きっとそうなる時はそう遠くないんじゃないかな……なんて。


まぁ、絶対に恭には言ってやらないけどね。



あたしは、自分に巻かれた毛布を剥がす。


それを恭も一緒に入れるように掛け直して、再び恭の胸の中に潜り込んだ。