言うんじゃなかった……。
「でも、茉弘がワガママ言うなんて珍しいので、少しでも答えてあげたいと思ったんです。」
愛しそうにあたしを見る恭。
胸の奥がじんわり温かくなる。
「……ごめん。ワガママ言って。」
私が赤くなって俯くと、
「あはは!今さらですか?違うよ。嬉しいんです。
もっとワガママ言って?
俺を困らせて?」
恭が、両手であたしの頬を包み込む。
しまった!
恭を説得するのに必死で気付かなかった!
恭、上半身裸じゃん!!
無駄に色っぽくて、目のやり場に困るっ!
「赤くなってきた♪赤くなってきた♪」
恭は楽しそうにあたしの顔を覗き込む。
「うるさいなっ。離れてよっ!服も着て!」
グイグイ恭を押しやろうとする。
「迫って来たのは、茉弘でしょ?」
恭の手が頬を離れて、次は腰に回される。
近いーっ!
近いーっ!!
迫ってなーい!!!
「ミーティングまで時間あるけど、どうする?」
恭の髪があたしに掛かって、恭のシャンプーの香りがする。
上から降ってくる優しく甘い声。。
さっきまでと、喋り方も声も違う。
恭がこうなる時は、"男の人"になる時。



