漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】



あたしが大きな声で二人を呼ぶと、二人同時に跳び跳ねる。


「へ!?え!?何!?どうしたの!?大きい声出して!ビックリした!!」


その隣で直は、「うわぁ!!死んだっ!!」っていいながら、涙目でゲームを見詰めてる。


「春馬、恭って次いつ倉庫に来るか分かる?」


春馬は、「えーっと」と額に手をついて考えている。


「あ。明日、夜ミーティングするって言ってたから、夕方には居るんじゃない?」



おぉ!


良かった。


意外に直ぐに会えるんだ。




葛原に手なんか出させない。


あたしはまだ、恭と居たいの。


あたしが鷹牙のスパイだと、いつか明かさなきゃいけない時が来る。


潤を取り戻す為。


それは、もう覚悟をしたの。



ただ、その時は、きちんとあたしの口から伝えたい。


そして、恭のあたしに対する憎しみは、全てちゃんとあたし自身で受け止めたい。


どんなに辛い事だとしてめ、それがあたしのケジメなの。



今は、まだその時じゃない。



ましてや、葛原の口から伝わるのなんて死んでも嫌だ。



だから、葛原を絶対に恭に近付けないようにしなきゃ。



あたしは、その大暴走とやらに絶対についていくんだから!