あたしが大きな声で二人を呼ぶと、二人同時に跳び跳ねる。
「へ!?え!?何!?どうしたの!?大きい声出して!ビックリした!!」
その隣で直は、「うわぁ!!死んだっ!!」っていいながら、涙目でゲームを見詰めてる。
「春馬、恭って次いつ倉庫に来るか分かる?」
春馬は、「えーっと」と額に手をついて考えている。
「あ。明日、夜ミーティングするって言ってたから、夕方には居るんじゃない?」
おぉ!
良かった。
意外に直ぐに会えるんだ。
葛原に手なんか出させない。
あたしはまだ、恭と居たいの。
あたしが鷹牙のスパイだと、いつか明かさなきゃいけない時が来る。
潤を取り戻す為。
それは、もう覚悟をしたの。
ただ、その時は、きちんとあたしの口から伝えたい。
そして、恭のあたしに対する憎しみは、全てちゃんとあたし自身で受け止めたい。
どんなに辛い事だとしてめ、それがあたしのケジメなの。
今は、まだその時じゃない。
ましてや、葛原の口から伝わるのなんて死んでも嫌だ。
だから、葛原を絶対に恭に近付けないようにしなきゃ。
あたしは、その大暴走とやらに絶対についていくんだから!



