「とにかく俺は、守らなきゃならないもんが出来るとか、面倒くせぇ……。誰かとつるむのも、面倒くせぇ。」
「面倒くせぇって……俺もかよ……」
「……そうだな。お前は特に面倒くせぇ。」
……何だよそれ。
俺らのこの一年間何だったんだよ。
最初こそひでぇ出会いだったけど、この一年で近付いたじゃねぇか。
お前が怒るタイミングも、お前が少し笑うタイミングも、お前が今みたいに寂しそうにするタイミングも、俺は分かってきたつもりだった。
お前は何か重いモノを抱えてて、俺も親への苛立ちや、兄貴への劣等感を抱えてて、だからこそ一緒に居たんだろ?
近付けたんだろ?
なのに、面倒くせぇって……
お前は今も、そんな風に思ってたのかよ……。
そんなのねぇだろ……。
お前といて楽しいと思ってたのは、俺だけか?
お前といて、色んな柵から救われて自由になってる気でいたのは、俺だけだったのかよ?
「もういーや。馬鹿らし。」
俺はその場で立ち上がり、服についた砂を払い落とす。
「俺さ、実は誘われてんだよね。」
「?」
「先輩がさ、ある地区の暴走族やってて。その地区すげー抗争が絶えない地区らしくって。人手もいるし、俺に入って欲しいらしいんだわ。」
「…………そうかよ。良かったじゃんか。」



