漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】



「とにかく俺は、守らなきゃならないもんが出来るとか、面倒くせぇ……。誰かとつるむのも、面倒くせぇ。」


「面倒くせぇって……俺もかよ……」


「……そうだな。お前は特に面倒くせぇ。」



……何だよそれ。


俺らのこの一年間何だったんだよ。


最初こそひでぇ出会いだったけど、この一年で近付いたじゃねぇか。


お前が怒るタイミングも、お前が少し笑うタイミングも、お前が今みたいに寂しそうにするタイミングも、俺は分かってきたつもりだった。


お前は何か重いモノを抱えてて、俺も親への苛立ちや、兄貴への劣等感を抱えてて、だからこそ一緒に居たんだろ?


近付けたんだろ?


なのに、面倒くせぇって……


お前は今も、そんな風に思ってたのかよ……。


そんなのねぇだろ……。


お前といて楽しいと思ってたのは、俺だけか?


お前といて、色んな柵から救われて自由になってる気でいたのは、俺だけだったのかよ?



「もういーや。馬鹿らし。」


俺はその場で立ち上がり、服についた砂を払い落とす。



「俺さ、実は誘われてんだよね。」


「?」


「先輩がさ、ある地区の暴走族やってて。その地区すげー抗争が絶えない地区らしくって。人手もいるし、俺に入って欲しいらしいんだわ。」


「…………そうかよ。良かったじゃんか。」