漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】


「…………はっ。なに言ってんだよお前。
寝言は寝て言えよ。」


「冗談じゃねぇよ。」


俺は起き上がって恭に向き直る。


「俺、ずっと風雅みたいな暴走族に憧れてた。出来ることなら、風雅の総長に会って仲間になりたいと思ってたし……。
でも今は、お前と暴走族やってみたいって思ってる。」


俺を見ていた恭の瞳が、少し揺れたのを見逃さなかった。


「お前となら、風雅に負けないくらいすげぇ暴走族になれると思う。
絶対に面白ぇことになる。


恭、俺は頭良くないから、高校はお前とは別々になる。お前が言うように、高校に入れるかどうかも分かんねぇ。

そしたら、今みたいにこうやってつるめなくなる。

こんな事言ったら気持ち悪ぃかもだけど、俺はこれからもお前とつるんでいれたらって思ってるよ。」


恭は、読んでいた本を閉じて地面に置く。


そして、どこか寂し気な顔で俺を見る。



あ。


最初に恭に会った時も、こんな感じ味わったっけ。


何となく胸の辺りがモヤッとするような恭の雰囲気……。



「お前さ。大事なもんを目の前で失った事あるか?」


「……大事なもん?」


そう聞き返すが、恭は


「……何でもねぇ。」


と言って、俺から顔を背ける。