「…………はっ。なに言ってんだよお前。
寝言は寝て言えよ。」
「冗談じゃねぇよ。」
俺は起き上がって恭に向き直る。
「俺、ずっと風雅みたいな暴走族に憧れてた。出来ることなら、風雅の総長に会って仲間になりたいと思ってたし……。
でも今は、お前と暴走族やってみたいって思ってる。」
俺を見ていた恭の瞳が、少し揺れたのを見逃さなかった。
「お前となら、風雅に負けないくらいすげぇ暴走族になれると思う。
絶対に面白ぇことになる。
恭、俺は頭良くないから、高校はお前とは別々になる。お前が言うように、高校に入れるかどうかも分かんねぇ。
そしたら、今みたいにこうやってつるめなくなる。
こんな事言ったら気持ち悪ぃかもだけど、俺はこれからもお前とつるんでいれたらって思ってるよ。」
恭は、読んでいた本を閉じて地面に置く。
そして、どこか寂し気な顔で俺を見る。
あ。
最初に恭に会った時も、こんな感じ味わったっけ。
何となく胸の辺りがモヤッとするような恭の雰囲気……。
「お前さ。大事なもんを目の前で失った事あるか?」
「……大事なもん?」
そう聞き返すが、恭は
「……何でもねぇ。」
と言って、俺から顔を背ける。



