「なんだよ。」


「……お前……頭おかしいのか?」


「あぁ?」


「完全マゾだな。気持ち悪ぃ。寄るなよ。」


……こいつっ……まじ口悪過ぎだろっ!


「……俺、お前みたいな奴キライだわ。
そういう態度、カッコイイとでも思ってんだろ?」


そう俺が言うと、恭は鋭い目付きで俺を睨む。


すげぇ、黒いオーラ。


人一人くらい殺してるんじゃね?



だけど恭は、何も言わずに立ち上がり、俺に背を向けて去って行く。


何でかな。


そんなわけねぇのに、何となくその時の恭の後ろ姿が寂しそうに見えたんだ。


この時の光景が、俺の脳裏に焼き付いて離れなかった。



***



「……またお前かよ。」




それはこっちのセリフだっつの!



俺は今日も1限目からサボる気満々で、裏庭に来た。


まぁ、今日は単純に授業が怠かっただけだけど。


先公すらあんまり来ない裏庭は、絶好の昼寝スポットだった。

まぁ、まだ昼でもないけどな。