「あぁ。だからかな……。」


「?」


「理さんも色んなモードがあったんですか?」


「何?モードって?」


「ほら!恭って、敬語で穏やかに喋ってる時もあれば、いきなりスイッチが切り替わって口が悪くなったりするじゃないですか!アレって、何でだろうなって思ってたんです。
アレは、その人それぞれに合わせて使い分けてるのかなって。」


理さんは、少し考えてから何かを思い出したように「あぁ。」と言う。


「恭のアレはそういうんじゃない。」


「え?」


「まぁ、気にするな……。」


理さんは、そう言うと目を瞑って黙ってしまった。



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「恭ちゃんの敬語はね、理君のせいなのよ!」


柚菜さんが、ニヤニヤしながら理さんを指さす。



お星さま☆に着くと柚菜さんが迎えてくれた。


相変わらずの可愛い笑顔で。


この間みたいにエプロンをしていないからか、お腹がふっくらしてる事にあたしが驚いていると、


「7ヵ月になったら、ちょっとは目立つようになってきかな♪」


と嬉しそうに話してくれた。




今日はお店が定休日らしく、店の中はガラリとしている。


あたしは柚菜さんに好きな所に座ってと言われたので、カウンターテーブルに座る。


厨房がよく見渡せる席。


厨房に入った理さんが何やら作業をし始めるのが見える。


柚菜さんも、あたしの隣に腰を下ろしてまた話出す。