右手には、握ったままの母さんの携帯電話。
父の番号をリダイヤルする。
コールが鳴り始める。
1回、2回、3回。
最後に見た母さんの顔が浮かぶ。
酷く胸騒ぎがした。
3回、4回、5回。
涙が、一つ二つと地面に落ちる。
母さんの声を思い出す。
6回、7回……
––––
「“助けになんか、来ないじゃないか…”」
「……っ」
「親父に…裏切られたような気分だったよ」
茉弘は口元を手で覆い、肩を震わせながら、
その目には涙を沢山溜め込んでいる。
こんな顔、させたくなかったんだ。
君は絶対に俺の分まで涙を流すから…。
「その後、警察に保護された俺は3つの事を知ることになるんだ。
一つ目は、母さんが男に刺されて死んだという事。
二つ目は、親父は母さんと俺がそんな事になっている時、くだらない賭け事をしていて電話に出られなかった事。」
「……え?」
茉弘の顔色が変わる。
だけど、俺は言葉を続ける。
「三つ目は、母さんを殺した相手は、その賭け事で親父に負け、その腹いせに俺を襲おうとしたという事」
「それって…!」
父の番号をリダイヤルする。
コールが鳴り始める。
1回、2回、3回。
最後に見た母さんの顔が浮かぶ。
酷く胸騒ぎがした。
3回、4回、5回。
涙が、一つ二つと地面に落ちる。
母さんの声を思い出す。
6回、7回……
––––
「“助けになんか、来ないじゃないか…”」
「……っ」
「親父に…裏切られたような気分だったよ」
茉弘は口元を手で覆い、肩を震わせながら、
その目には涙を沢山溜め込んでいる。
こんな顔、させたくなかったんだ。
君は絶対に俺の分まで涙を流すから…。
「その後、警察に保護された俺は3つの事を知ることになるんだ。
一つ目は、母さんが男に刺されて死んだという事。
二つ目は、親父は母さんと俺がそんな事になっている時、くだらない賭け事をしていて電話に出られなかった事。」
「……え?」
茉弘の顔色が変わる。
だけど、俺は言葉を続ける。
「三つ目は、母さんを殺した相手は、その賭け事で親父に負け、その腹いせに俺を襲おうとしたという事」
「それって…!」



