漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】





「はぁ…」


彼女は俺の隣に座ると、小さな吐息を漏らした。


よく見ると頬も鼻の頭も赤みを帯びている。


「寒いですよね」


俺のしていたマフラーを彼女の首に巻くと、


「大丈夫!恭の方が寒くなっちゃうよ!」


そう言って、頬を染めながら慌て出すものだから、本当ずるいなと思う。



この子は本当に…


分かってるやってるのかね…。


だったら相当な小悪魔だ。


「俺は大丈夫ですから。気になるから巻いておいて下さい」


「あ…りがと。えへへ。恭の匂いがするね!」


「……っ」


あーもう。


最近まともに会ってなかったからだろうか?


いや、そういうわけじゃないんだろうけど、


茉弘が猛烈に愛しく見える。



いや、事実、茉弘は茉弘の全てを打ち明けてくれてから、言動全てが柔らかくなったように思う。


本人は気付いてないみたいだけど、今まで相当気を張っていたんだろう。


気が強いのは相変わらずだけど、素直に感情を表現してくれる。


まぁ、俺は茉弘だったらどんな茉弘だっていいんだけど、

正直やっぱりどこか嬉しくて、


自分の理性との戦いに苦戦する。


「ここ…」


「え?」


「ここは、相変わらず綺麗だね。
前にここで恭と線香花火やった時以来だ」


「……そうですね」


茉弘は懐かしそうに目を細める。