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「はぁ…」
彼女は俺の隣に座ると、小さな吐息を漏らした。
よく見ると頬も鼻の頭も赤みを帯びている。
「寒いですよね」
俺のしていたマフラーを彼女の首に巻くと、
「大丈夫!恭の方が寒くなっちゃうよ!」
そう言って、頬を染めながら慌て出すものだから、本当ずるいなと思う。
この子は本当に…
分かってるやってるのかね…。
だったら相当な小悪魔だ。
「俺は大丈夫ですから。気になるから巻いておいて下さい」
「あ…りがと。えへへ。恭の匂いがするね!」
「……っ」
あーもう。
最近まともに会ってなかったからだろうか?
いや、そういうわけじゃないんだろうけど、
茉弘が猛烈に愛しく見える。
いや、事実、茉弘は茉弘の全てを打ち明けてくれてから、言動全てが柔らかくなったように思う。
本人は気付いてないみたいだけど、今まで相当気を張っていたんだろう。
気が強いのは相変わらずだけど、素直に感情を表現してくれる。
まぁ、俺は茉弘だったらどんな茉弘だっていいんだけど、
正直やっぱりどこか嬉しくて、
自分の理性との戦いに苦戦する。
「ここ…」
「え?」
「ここは、相変わらず綺麗だね。
前にここで恭と線香花火やった時以来だ」
「……そうですね」
茉弘は懐かしそうに目を細める。



