漆黒の闇に、偽りの華を②【完結】


鷹牙には、将生さんの思想を崇拝する奴らが多くいる。


だから将生さんなき今、残った奴らを煌龍に吸収しようにも、そう上手くはいかない。


そんな事をしたら、のちのち内部から亀裂が入る恐れもある。


そのリスクを考えれば、このまま鷹牙抹消が煌龍にとってベストなのは間違いない。


恭の総長としての判断は、間違ってはいないだろう。



だけど、俺は元鷹牙の副総長だ。


そんなに簡単に、あいつらを見捨る事は出来ない。


だから俺は鷹牙に残り、一から鷹牙を立て直す事にした。


煌龍と同盟を組む事を条件に。



俺は、将生さんが作った闇が渦巻くようなものを作る気はない。


煌龍が、茉弘の唯一の居場所であったように。


鷹牙が一人一人の光になるようなそんな場所になれたなら–––––



「潤ならきっと、いい総長になれるよ。
煌龍とは同盟を結んだんだし、いつでも恭を頼ればいい。きっと恭なら、潤の力になってくれるから。

…もう潤は、一人じゃないんだからね」




そう。


もう俺は一人じゃない。




「ねぇちゃん。ありがとう」



「なっ…何急に改まって!!!」



「…伝えたかっただけ。


ほら。もうすぐ着くよ」






着いたのは、急な坂道を登った先にある細い小道への入り口。


そこで、茉弘にバイクを止めるよう指示される。