鷹牙には、将生さんの思想を崇拝する奴らが多くいる。
だから将生さんなき今、残った奴らを煌龍に吸収しようにも、そう上手くはいかない。
そんな事をしたら、のちのち内部から亀裂が入る恐れもある。
そのリスクを考えれば、このまま鷹牙抹消が煌龍にとってベストなのは間違いない。
恭の総長としての判断は、間違ってはいないだろう。
だけど、俺は元鷹牙の副総長だ。
そんなに簡単に、あいつらを見捨る事は出来ない。
だから俺は鷹牙に残り、一から鷹牙を立て直す事にした。
煌龍と同盟を組む事を条件に。
俺は、将生さんが作った闇が渦巻くようなものを作る気はない。
煌龍が、茉弘の唯一の居場所であったように。
鷹牙が一人一人の光になるようなそんな場所になれたなら–––––
「潤ならきっと、いい総長になれるよ。
煌龍とは同盟を結んだんだし、いつでも恭を頼ればいい。きっと恭なら、潤の力になってくれるから。
…もう潤は、一人じゃないんだからね」
そう。
もう俺は一人じゃない。
「ねぇちゃん。ありがとう」
「なっ…何急に改まって!!!」
「…伝えたかっただけ。
ほら。もうすぐ着くよ」
着いたのは、急な坂道を登った先にある細い小道への入り口。
そこで、茉弘にバイクを止めるよう指示される。



