「恭は、そんな俺達から無理矢理何かを聞き出そうとしたか?
あいつはバカみてぇに頭がいいんだ。薄々勘付いてはいるだろーよ。でも、あいつは何も聞かねぇ。あのちんちくりんの時もそうだ。
それがどういう事か、お前らなら分かるだろ?」
あいつは、いつもそうなんだ。
あいつは、失う事も傷付く事もよく知っているから…。
そういう奴らを見抜いては、何も聞かず寄り添ってきた。
俺達だけじゃない。
“煌龍”というもの自体が、そういった人間の集まりで、
恭はいつも、
煌龍がそいつらの居場所になればいい。
そう言っていた。
ただ何を話さなくともそっと誰かが側にいて、一人じゃないと感じられる場所であれば…と。
でも、一番それを欲していたのは、きっとあいつ自身なんだ。
そいつの生い立ちや、過去なんでどうでもいい。
ただ、そいつ自身と向き合って、そいつを信じて、そいつに信じて貰いたい。
なぁ恭。
そういう事だろ?
「分かってる……分かってるよっ!だから、俺らはここに居るんだろうが!!!」
「恭の過去なんてどうでもいい。ただ俺らに、恭の知らない部分があった事がショックがだっただけなんだ。ちょっと太一にも妬けたしね」
春馬は、そう言って申し訳なさそうに笑って見せると、「ね!直!」と隣で拗ねたようにそっぽを向いている直の横腹を小突いてみせた。



