それを見てると、何だか腹の底から苛立ちが込み上げてきて、
俺は冷ややかな視線を二人に向けた。
「信じられない…ねぇ。」
「し、仕方ねーだろっ…!お前は知ってたからいいかもしれねぇけど、俺らは全く知らなかったんだぞ!?お前だって、少しぐらい俺らに話したってよかったんじゃねぇのか!?俺ら仲間じゃねーのかよっ!」
「ちょっとやめなよ直っ!!!」
俺の胸ぐらに掴みかかってくる直を見て、百合が仲裁に入ろうとするのを俺は手のひらをゆりに見せて止めた。
「お前の言う仲間ってなんだよ?」
「……っ」
「何でもかんでもさらけ出して、気休めな傷の舐め合いをする。
それがお前の言う仲間ってやつか?」
俺は直の目を真っ直ぐ捉える。
直の目は戸惑うように揺れている。
「消えちまえばいいと思ってる事や、思い出したくもねぇ事、口にも出したくねぇ事や、人には話せねぇような事、
誰だって一つや二つあるだろ。
なぁ直、春馬。お前らにもな」
直は俺の掴んでいた胸ぐらを離すと、力なく椅子に座り直す。
春馬は、地面に目を落としたまま何も言わなかった。



